「怪談師になりたい」と思ったら
怪談ライブを観ているうちに「自分も怪談を語ってみたい」と思う人は少なくありません。怪談師はプロの落語家や俳優と違い、特定の養成所や資格があるわけではありません。「怪談を語ること」そのものから始められる、非常に開かれた世界です。
ただし、「語る技術」と「ネタ(怪談の素材)」と「場(披露する機会)」の三つを揃えることが、怪談師としての第一歩になります。
ステップ1:自分の「怪談の素材」を棚卸しする
怪談師が語るのは基本的に「自分が体験した、または取材した実話」です。まずは自分の記憶を掘り起こしてみましょう。
- 子供の頃に体験した不思議な出来事
- 友人・家族から聞いた怖い体験談
- 訪れた場所で感じた不可思議な感覚
些細なことでも構いません。「こんな話は怪談にならない」と決めつけず、記憶を言語化する練習から始めましょう。
ステップ2:「語る」練習をする
怪談は「内容」だけでなく「語り方」が怖さを決定します。同じ話でも、語り口一つで全然違う怪談になります。
自分の語りを録音・録画する
まずはスマートフォンで自分が怪談を語る様子を録画してみましょう。「自分の語りを客観的に見る」ことが最大の練習法です。声のトーン、話すスピード、「間」の置き方——気になる点が必ず見つかります。
繰り返し語ることで精度を上げる
同じ話を何度も語ることで、どこで間を置けば効果的か、どのフレーズが聴き手に刺さるかが分かってきます。怪談師のライブで感じた「怖さの作り方」を意識的に分析して取り込むことも重要です。
ステップ3:オープンマイクやアマチュア怪談会に参加する
自分一人で練習するだけでなく、実際に人前で語る経験が不可欠です。
怪談のオープンマイク
定期的に開催される怪談のオープンマイクイベントでは、誰でも数分間の持ち時間で怪談を語れます。怪談師のコミュニティと接触でき、先輩怪談師からフィードバックをもらえる貴重な場です。
アマチュア怪談サークル・勉強会
地域や怪談師のファンコミュニティの中に、アマチュア向けの怪談語りの場があることがあります。プロのイベントより気軽に参加でき、同じ志を持つ仲間と出会えます。
ステップ4:SNSで発信を始める
現代の怪談師にとって、SNSは最重要の発信ツールです。
X(旧Twitter)でテキスト怪談を投稿
怪談の体験談を140文字でまとめた「短編怪談ツイート」は、多くの怪談師が実践している発信方法です。文章力の練習にもなり、フォロワーの反応から自分の怪談のどこが怖いかを把握できます。
YouTubeで語り動画を投稿
顔出しは必須ではありません。声だけの怪談動画、静止画にナレーションを乗せた動画形式でも、コンスタントに投稿することで視聴者が積み重なります。
ステップ5:怪談コンテストに挑戦する
ある程度の語りの自信がついたら、怪談コンテストへの挑戦が怪談師としての評価を高める機会になります。「怪談最恐戦」などの公式コンテストは全国から参加者が集まり、上位入賞は怪談師としての信頼の証明になります。
怪談師として生きていくということ
怪談師として活動していくことは、多くの場合「本業と並行して行う副業・活動」からスタートします。人気怪談師の多くも、最初から専業だったわけではありません。
コツコツと怪談を語り続け、SNSで発信し、イベントに登壇し——その積み重ねの先に、怪談師としての道が開けていきます。怪談が好きで、人に伝えたいという気持ちがあれば、それが怪談師の第一歩です。