コロナ禍以降、怪談イベントのオンライン配信が増えた。ある配信者がツイキャスで怪談ライブを中継していたときの話。
視聴者は200人ほど。コメント欄も盛り上がっていた。怪談師が「ある旅館で撮った写真」の話を始めたあたりで、一人の視聴者がコメントした。
「配信者さんの後ろに誰かいません?」
配信者は自宅からの中継だった。一人暮らしだ。笑って「いませんよ」と返した。
するとコメントが続いた。
「いや、カメラの右上」
「白い服の人」
「こっち見てる」
配信者は背後を振り返ったが、誰もいない。コメント欄はどんどん流れていく。
「まだいる」
「笑ってる」
「配信者の肩に手を置いてる」
怖くなって配信を切った。アーカイブを見返してみた。
映っていなかった。何も。
ただ、コメント欄に気になるものを見つけた。「こっち見てる」と最初に書いた視聴者のアカウント。プロフィールを開くと、最終ログインが3年前。
調べてみると、その配信サービスでは、アカウントの持ち主が亡くなっても、自動的に削除されることはないらしい。
ただそれだけの話だ。ただ、誰がコメントを打ったのかは、わからないままだ。